西表島旅日記
1992年当時の私は33歳。八重山へ通い始めて9年目の夏、島の様子も分かってきて遊ぶことに一番熱心だった頃の旅日記を公開します。



7月21日(火)はれ

 初便に間に合わせるため6時自宅出発。
 那覇も快晴。今年は太平洋高気圧の勢力が強く、天候は安定しているようだ。離島航路に乗り換え、一路石垣へ。石垣空港までは430km、B737で約1時間だ。空港から離島桟橋まではタクシー。西表島大原港までの高速船は波が高かったため普段の倍の1時間余りかけてようやく着く。あとは無人で送っておいた自分の単車(ホンダXLR250R)にまたがって船浦の奥にあるいつもの宿へ。午後3時着。
 知ってる顔が7〜8人いる。自分だけ色が白いので落ち着かない。夜は酒を控えめにして、0:00就寝。



7月22日(水)はれ

 7:50起床。札幌の高橋夫妻がレンタカーを借りるというので旦那を乗せて上原のみどり荘まで送り、その足で海中道路からヒナイ滝を撮る。午前星砂の浜。うめさんとシュノーケリングをしながらノコギリダイを釣る。エサに食いつくところを見てから糸を引くので百発百中。ただしすべて泳ぎながら水中での作業なのでたいそう疲れる。お昼は釣った獲物を浜で焼いて食う。もちろんビールも飲む。Tシャツを着て泳いだのだが、日焼けがやや気になる。午後はオフ。昼寝をする。
 夕食後うめさんらに連れられてナダラ川とクーラ川にカニ網を仕掛けに行く。籠の中に冷凍サンマを結んで入れておくだけである。ただしマングローブ林の泥水の中に、時には膝上までつかって歩く我慢をしなければならない。全部で11枚仕掛ける。明朝が楽しみだ。
 夜は少しだけ飲んで寝た。0:00就寝。



7月23日(木)はれ

 朝7時前うめさんに起こされ、カニ網の回収に向かう。ノコギリガザミが全部で11匹獲れており、大漁大満足。大きいものは甲羅だけで20cm以上ある。
 案の定日焼けが痛いのでオフ日とする。午前中は宿の中でのんびり過ごし、午後は昼寝。なにまだ時間はたっぷりあるさ。
 夕方再びうめさんのお声掛かりでクーラ川へカニ網仕掛けに出る。夕食後ムゥーが宿の表でカニを蒸し、船浦港へ持っていき車座になって食す。ベラボーにうまい。ビールもうまい。
 夜は、飲んで喋って、2:30就寝



7月24日(金)はれ

 今日も7時起きでカニ網回収。3匹しか獲れず。二日連続では仕方ないか。札幌の高橋妻を乗せて午前祖内の郵便局へ。郵便局は西へ約15kmの距離。土産のパイン発送手続き。上原の「源」(げん)がなんと休業中なので、やむなく昼はムゥー・高橋夫妻らと「デンサー食堂」でヤキソバを食う。「源」のおばあが作る八重山そばは絶品なのだが、石垣の病院に入院しているとのこと。今後が心配だ。
 14:30の船でダイバーO野さん見送る。昨年結婚して、まもなく子供が生まれるとのこと。「当分来れないよ」と残念そうだった。今日も一日何もせず。夕方カヌーでヒナイ滝へ行った連中を海中道路へ迎えに行った程度。夕食がバーベキューだったので、カニは焼いて他の客に振る舞った。この日の客全部で70人程度か。体調今ひとつで、23:00就寝。



7月25日(土)はれ

 8:00起床。午前星砂の浜。ここは浜一帯ほとんどすべてが星の砂である。海は砂浜ではなく珊瑚礁で、たいていは10時から12時くらいのあいだシュノーケリングをしながら魚を見たり貝を探したりしている。単車があるので宿の送迎に関係なく移動できるのが助かる。
 午後昼寝。日焼けのためか、微熱があり体調よくない。夕食後暗くなってからムゥー・うめさんらと浦内橋でチヌ釣り。夜は飲んで喋って、2:30就寝。
 このころ、友人の数は15人ほど。皆好き勝手なことをやっているので、昼間行動する時の単位は単独か数名程度である。夜飲むときだけ10名以上に膨らむ。



7月26日(日)はれ

 7:15起床。7:50の船で札幌の高橋夫妻らを見送ってから朝食。女子大生の娘を乗せて仲間川展望台へ。途中で単車を降り、道すがらパッションフルーツを採りながら歩く。展望台からは蛇行する仲間川のマングローブ林が一望の下に眺められる。14:00宿に戻り、あとはゴロゴロして過ごす。夕方、京都のO女史来る。
 夕食後、月ヶ浜にて夕日撮影。夜は飲み会盛り上がり、3:30就寝。




7月27日(月)はれ

 8:10起床。9:20の船でうめさんらを見送り、午前中は昨日の女子大生を連れて星砂の浜アウトリーフ。午後は宿にてムゥー氏ら数名とビール飲む。昼間飲むビールはどうしてこんなに美味いんだろう。
 ムゥーは本日より大原へ移動。今晩は潜水漁に行くと言うので、夜飲みながら待つ。3時ごろようやく獲物を持ってやってきたが、潮が悪くて不漁だったとのこと。それでもイセエビが2匹ある。他にミーバイ・イラブチャなど。自称板前が宿泊しているので起こしに行ったが目が覚めないので今晩はあきらめる。4:00就寝。



7月28日(火)はれ

 8:10起床。午前月ヶ浜にてチョウセンハマグリ探すが、不調。6年振りだったので、勘が鈍ったかも。午後昼寝。夕食後、O女史を乗せて上原山へ夕日を眺めに上る。静かで、そして絶景である。
 八重山諸島は日本の南のはずれであると同時に西のはずれでもある。したがって日没時間も遅く、この頃で7時半過ぎである。
 相変わらずの夜であったが、ようやくイセエビを口にして、3:00就寝。



7月29日(水)はれ

 8:10起床。午前中、横浜と大阪の貧乏娘二人を連れて星砂の浜アウトリーフ。旅行資金が尽きたのだがまだ滞在したいので、島内でバイトを探すのだそうだ。午後はヒナイ館前で赤貝(ザルボウ)採り。夕食後は上原の町までかき氷を食べにみんなで歩く。
 この日は宿の名物男石山氏がサザエ(チョウセンサザエ)・マガキ(カキフライにする牡蠣とは似ても似つかぬ巻貝。超美味)・ウニ(シラヒゲウニ。味は今ひとつ)を大量に採ってきたので、夜はお造りにして大いに盛り上がる。3:30就寝。



7月30日(木)はれ

 8:10起床。宇多良炭鉱跡を訪ねることにし、用意をしていたら、貧乏娘二人も行きたいと言うので連れて行くことになる。西表島には戦前多くの炭鉱があった。苛酷な労働とマラリヤ、そして絶海の孤島という逃げ出すことのできない環境の下で、多くの労働者が亡くなったという。
 浦内橋から歩くこと20分、鬱蒼と茂るジャングルの中にそれは突然現れた。石炭の積み出しに使われていたトロッコの煉瓦造りの橋脚が、一面ガジュマルの根に覆われ不気味そのものである。もっとも、観光でここへ来る人は皆無であろうが。
 14:30の船で一人見送り、あとは昼寝。夜は毎度の宴会で、2:45就寝。



7月31日(金)はれ

 8:10起床。白浜林道へ向かう。コウトウシランは何者かに乱獲されたのか姿はなく、ナリヤランのみ。昆虫も少ない。
 「源」のおばあは復活したようで、営業再開していた。早速八重山そばをいただく。自称板前は本物の板前だったようで、今日から星立のホテルへ働きに出た。午後昼寝。
 毎晩飲む酒は、ビールか泡盛。つまみは石山氏持参のスルメを焼くか袋物である。海のものは、その気になれば毎日でも食べられようが、面倒なのでそういつもは捕っていない。3:00就寝。



8月1日(土)はれ

 8:00起床。古見岳登山道へ向かう。蝶の写真多数撮影でき、満足。「源」でヤキソバ(八重山そばを炒めたもの)。午後はヒナイ館前ビーチへ。島に居座ってしまったTちゃん(♂)・京都のO女史と共にウニを捕りながら鳩離まで泳いで渡る。沈船沖にあったイソバナがいくら探してもみつからない。恐らく漁船のスクリューに破壊されてしまったのだろう。残念だ。
 夜は2:00くらいまで飲んだ後、屋上にて星を見ながら喋る。5:00就寝。



8月2日(日)うすぐもり

 8:30起床。今年は天気に恵まれていたが、ついに雲が出た。11:00の船でO女史を見送ったのみで、何もせずにゴロゴロする。
 夜、食堂で飲んでいるうちに、娘3人と明日ヒナイ滝へ行くことになる。そんな状況をもちろんTちゃんが見逃すはずもなく、同行を申し出て、5名で行くこととなった。
 宿は標高30m程の高台にあり、前は一面の芝生である。そこに樹脂製の白いテーブルと椅子が置いてある。昼間は陽射しが強いのでイヌビワの木の下で椅子を2個寄せてうたた寝し、夜はテーブルを囲んで飲んで喋るというわけだ。夕食前のいっとき、目の前いっぱいに広がる青い海を眺めながら飲むオリオンビール。極楽である。3:00就寝。



8月3日(月)うすぐもり

 8:30起床。滝娘のひとりを乗せて郵便局に行った帰り、星立ヤシ林と月ヶ浜をちょいと案内して、11:15ヒナイ滝へ向かって出発。
 今年から、よりサバイバルを楽しんでもらうために、前夜ルートについてはきちんとレクチャーしておき、当日は後ろをついて行くだけで道は一切教えないことにした。間違ったところへ進んで行っても黙ってついて行くのである。というわけで娘3人が先頭、Tちゃんと私が後ろを歩く。
 船浦湾では膝上まで水に浸かり、マングローブ林内ではぬかるみに足を滑らせ、草原でハブに怯え、汗みずくになってジャングルを歩くこと2時間、落差47mの滝上に出た。今歩いてきたルートが眼下に望める。絶景。
 帰りはゆっくり滝壷で遊んで、16:30帰着。シャワーを浴びて、オリオンを飲む。うまいんだな、これが。
 夜は反省会と称して、また飲む。4:00就寝。




8月4日(火)うすぐもり

 8:30起床。午前滝娘のひとりと星砂の浜。昼食は娘を乗せて「源」でヤキソバを食い、14:30の船で見送る。あとは昼寝。それで体力を回復させておいて今宵も元気に宴会。3:00就寝。



8月5日(水)うすぐもり

 8:30起床。午前Tちゃんと二人で、娘4人連れて星砂の浜。波高く、リーフから出られず。サンゴの水路、クマノミのプールを案内してごまかす。昼はひとりで「源」のヤキソバ。午後昼寝。
 夜は板前がサワラの刺身を買ってやって来た。新鮮なサワラはとてもうまい。そして安い。厚さ1cm程の刺身が20切れくらい入っていて500円。2:30就寝。



8月6日(木)うすぐもり

 8:15起床。大阪のF氏、例によって大声でやって来る。そして今年も同室。午前、7人で星砂の浜。今日も波高く、リーフから出られない。浜でゴロゴロしながら一日過ごす。夕方、上原の「たまご」でかき氷食べて宿へ戻る。夕食後、群馬の淡水貝研究娘Mを乗せて上原山で夕日。そして疲れを知らぬ宴会。2:30就寝。



8月7日(金)はれ

 8:10起床。午前Tちゃんと共に娘を連れて星砂の浜。アウトリーフへ出る。リーフ外は急に深くなっており、したがって大物も見られるのだ。この日、すぐ近くを泳いでいた板さんがホワイトチップ(ネムリブカ)を見てうろたえていた。人を襲わないといわれるサメでもやはり迫力はある。
 昼は浜の上で生ビールを飲み、リゾート気分。午後も浜でゴロゴロする。帰る日が近づくと、どうしても海へ行くことが多くなってしまう。2:30就寝。




8月8日(土)はれ

 8:30起床。ゲーダ川へモダマを探しに行く。モダマとは俗称オバケマメ。鞘の長さ1m、豆の直径10cmにもなるというマメ科の蔓性植物である。60cmくらいのを1個みつけて、土産に持ち帰ることにした。さらに川を上り、最初の滝の下でしばし遊んでから戻る。
 午後はヒナイ館前ビーチ。他に誰も泳いでいないこのビーチで最後の日を過ごすのがここ数年の恒例になった。岸から500m余、水深2m弱、波もない穏やかな海に散在するサンゴに遊ぶ魚たちを追っていると、つい時間を忘れてしまう。
 最後の夜だからといって特別なこともなく、淡々と飲み会は始まる。ナーバスな気分になる前に疲れて寝てしまった。3:00就寝。



8月9日(日)はれ

 8:10起床。午前中は船浦港で単車を無人航送する手続きなどで走り回る。あとは宿の庭から海を見て過ごす。
 14:30の船で西表を離れる。手を振る友人たちの姿がだんだん小さくなり、防潮堤の陰にかくれた。
 僕の短い夏は終わった。


<資料編>
★おともだち
以前から面識があり、今年も西表で会った友人 11人 6人
初対面だが「お噂はかねがね・・」と挨拶を交わした常連 3人 1人
今回初めて出逢い、一緒に遊んで住所を尋ねた友人 2人 10人
  
 今回初めて出逢った女性のうち、年が明けてからも交友が続くのは稀である。
 涙なみだの船浦港で「来年もまた来るから」と絶叫した娘は今年はいずこ。シャケのほうがまだまし。

<資料編>
★おかね
交通費(航空機代) 89,020 名古屋〜那覇〜石垣
交通費(その他) 5,640  
宿泊費 64,600 1泊2食3400円×19泊
ビール代 約13,000 大瓶360円、缶350ml260円
昼食・間食等 約10,000
単車航送費(無人) 56,060 名古屋〜那覇〜石垣〜西表
単車ガソリン代 約3,000 132円/L
土産パイン発送料 27,600 5個2700円、6個3000円
写真代 約50,000 リバーサル13本、ネガ6本
生活物資郵送料  6,340 ゆうぱっく
合計 約325,260


 ◆航空機代は往復割引適用外。今回は株主優待券を利用したが、それにしても国内線運賃は高すぎる。
  おかげでオンシーズンになっても無礼な学生どもはあまり来ないのだが。

 ◆宿は男女別定員制相部屋。最高で6畳に3人寝る。こうなると長期滞在者は荷物の置き場にも困ることに。

 ◆ビール以外にも泡盛をほぼ毎日飲んでいる。お気に入りの銘柄は石垣島産の「請福」と波照間島産の「泡波」。
  自分で金は払ったことがないのだが、夜が更けてくるとそこここの部屋から一升瓶が出てくる。

 ◆単車の無人航送は道楽ゆえやむを得ない。
  レンタバイクは一日2400円、長期貸し出しも交渉次第だが、機動力の差は歴然。

 ◆パインの単価は今年西表のスーパーで1個200円。
  つまりほとんどが郵送料。


★さいごに
 一部ご本人の了解を得られないまま写真を掲載しました。
  結果、不愉快な思いをされたという方がございましたら、管理人までメールにてご連絡をください。
  削除等の措置をとらせていただきます。

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